アパレルの供給過剰という問題(後編)

新千歳空港(札幌)にある「美瑛選果」のコーンパンを購入したいと網を張っていますが、いつも売り切れで買えません。

今なら買えるのか・・と思いつつ、並べない習性なので、いっそ存在を忘れようと考えるようになりました。

おはようございます。
『インスパイア メンズ』の林です。

今回はアパレルの在庫問題の後編です。

前編はリンク先から飛べます。

アパレルの供給過剰という問題(前編)

アパレルの在庫調整が始まる

小売りの多くは時代が令和になっても、売上高がベースになる「売上げ至上主義モデル」を引きずっています。

これからのアパレルは「売上げ至上主義モデル」から「持続可能モデル」へと方向転換が全体的に進みます。

なぜなら、売上ベースでは事業が存続できないからです。

コロナ禍で会社の存続を不安に思った方も多いのではないでしょうか。
ここまでリアルに「うちの会社、大丈夫か・・」と思うことはそうそうありません。
居酒屋で愚痴っているのとはリアリティが違います。

同時に企業やブランドが継続していくことの重要性が再認識されました。

今回のコロナが収束しても、人口減や温暖化は目下進行中であり、インバウンドはもはや狙えません。

もう1度新しいウイルスが来たら・・・さすがにしんどい。

たとえ形が変わっても、残すことが従業員やファンにとって大切だし、それは簡単ではないと学べました。

持続可能かどうかが問われている

この状況下で明らかに偏っているアパレルの需給。今後は持続可能なモデルに向かっての在庫調整が始まります。

セールの時期が変化する

心待ちにしている人も多いセール。
多くのアパレル商品はシーズンピーク前にセールに突入します。

夏であれば、一番暑くなる前にセール価格になるんです。
飲食店なら昼の12時から「ランチ半額」そんな店は見たことありません。

この元凶は在庫問題にあって、このアパレル特有の問題にも変化が起こると考えます。

2021年春以降、セールは必ず変化していきます。

来年のセールがどうなるのか楽しみです。

どこで買うかより、誰から買うか

ずいぶん長く続いた大量生産という考え方がなくなっていきます。

ドーンと入荷して、販促で売って、売れ残ったらバーンと値引いて売り切る。
この当たり前のビジネスモデルは、低価格アパレル以外での実践が困難になっていきます。

そうなると、店頭の売り方も変わってくる。

ここ数年に限れば、在庫を持たないショールームの様な形式にはまだ移行できないので、ネットを使った在庫の最適化が本格的に始まります。

店で売れた商品が繰り返し納品されなくなり、欠品が当たり前になると、
販売スタッフの良し悪しを決めるのは「ネットを含めた提案が顧客にできるかどうか」というレベルになっていきます。

その結果、ネットを含めた顧客のフォローができるブランドにはファンが付き、ネットもリアル店舗も潤っていく。

そうでないブランドには真逆のことが起こります。

これを理解している店頭を持つブランドは価値を拡大させて、利益率が上がるという恩恵を受けます。

もし、店舗の商品のみ販売するスタイルを継続するなら、数年先にそのブランドが存続している確率は相当低いと感じます。

そんな時代が数年先ではなく、すでにそんな時代に入っていると考えます。

販売するまでのモデルから販売後のモデルへ

コロナの影響もあり、IT企業の特権だったテクノロジーの恩恵を、あらゆる企業が受け始める時代に入ります。

テクノロジーを使いこなせる企業と、そうでない企業の間にはとても大きな「溝」が生まれます。

「いかに販売するか」に重点をおいた政策ではファンは作りにくくなり「販売後のアフターフォロー」に商機が出てきます。

アフターフォローにITを駆使して顧客満足度を上げられるブランドや企業は、知名度や規模が小さくても消費者の信頼を得ていくことになるでしょう。

サービス面での差別化が起こる

「持続可能モデル」「テクノロジー」「顧客満足」「サービス面での差別化」こんなキーワードが今後のアパレル運営に影響していきそうです。

この中心にあるのは「ブランディング」です。これは外せません。

これからは多くの企業でビジネスモデルが変わっていきます。

供給過剰だったアパレルの仕組みは続きません。

そこで働く人の意識も変わることが求められて行くでしょう。

激変の時代を楽しむ。そんな具合で丁度良いのかも知れませんね。

それでは、コロナに負けず今日も良い一日を!

こちらのリンク下部よりコメントできます。

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